島朗九段による指導対局会が本年も5月9日に当会会館にて開催された。例年お招きしている初代竜王の実績のある島朗九段、タイトル挑戦の実績もある山田久美女流三段のお二人だけでなく、本年は平成19年度勝率1位の実績もある鈴木環那女流初段にもお越しいただいた。参加者は横浜地裁第1刑事部部長の鈴木秀行裁判官(なんと10年ぶりの参加とのこと!)を含めて8名、いずれも将棋愛好家ばかりで大きく盛り上がった。
トッププロの1人である島九段に対しては、例年、勝利を挙げる会員は少ないが、本年は松下雄一郎会員が飛車落ちで巧みな指し回しから大きく作戦勝ちをしてそのまま押し切り、鈴木裁判官が角落ちで難局を見事な終盤力で制した。筆者も角落ちで1勝1敗(1敗のほうは惨敗だったが…)、松延成雄会員も時間切れで決着はつかなかったものの優勢の局面を迎えていた。その他の会員も女流棋士から角落ち等で勝利を挙げるなど奮闘していた。プロ棋士と角落ちで指すにはアマ名人クラスの実力が必要との声もあることからすれば、真剣勝負の場ではないこと、棋士は多面差しで考慮時間なく指していること等を差し引いても、本年の結果は大健闘といえよう。これも当会の将棋愛好家が、仕事を犠牲にしてまで(?)深夜のBS放送やタイトル戦のインターネット中継に見入ったり、通勤電車で詰将棋を解いたり、と日々、将棋に熱心に取り組んでいる成果ではないかと思う。
夜も中華街にて懇親を深め、将棋三昧の1日を過ごすことができ、将棋愛好家としては至福のひとときであった。
将棋はルールさえ憶えていれば見るだけでも楽しいものではあるが、やはり指すほうが楽しいと思う。指導対局会では棋力に応じたハンディをもらえるので、誰でも一流棋士と将棋を指す楽しみを享受することができる。その楽しみを享受する参加者がもっと増えることを願ってやまない。
今年は勝利者続出!! 島 朗九段による指導対局会
(会員 種村 求)
横浜弁護士会新聞 2009年7月号より転載